2020年05月29日

矢野憲一「伊勢神宮の衣食住」 (角川ソフィア文庫)



ちらなどで神道関係の本はわりとアレなのが多いと書きましたが。伊勢神宮で神職やってた人の著書ならどうよ?ということで。
(まあ、内容が正確な分、わりと当たり障りがないというか、予備知識が何もない人にはいいでしょうが、ある程度知っている人には、単調に感じられる面もある……かしら?)

伊勢神宮の衣食住 (角川ソフィア文庫)
伊勢神宮では一三〇〇年の長きにわたり、一日も欠かさず天照大神への奉斎が行われてきた。営々と伝えられる神事・祭儀のすべてを体験したもと神官禰宜の著者が、神宮の知られざる営みと信仰を紹介する。
内容(「BOOK」データベースより)
全国10万の神社の総氏神、伊勢神宮。ここでは1300年の長きにわたって1年に千数百もの神事・祭儀が行われてきた。毎日朝夕毎に神饌が奉られ、特別に調製された御飯・御塩や乾鰹などが供される。今も和妙(絹)・荒妙(麻)が奉織され、20年に1度の式年遷宮では、社殿その他が新造され、神宝(調度品)などもすべて新しく調進される。これら衣食住にまつわる神宮の知られざる営みと信仰を、もと神宮禰宜の著者が描き出す。
著者について
1938年生。五十鈴塾塾長。もと神宮徴古館農業館長・伊勢神宮禰宜。専攻は神道文化史・民俗学。著書に『伊勢神宮―知られざる杜のうち』角川選書、『大小暦を読み解く』大修館書店、『お伊勢参り』新潮社とんぼの本、『亀』『杖』『枕』『鮑』『鮫』法政大学出版局など多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
矢野/憲一
1938年、伊勢市に生まれる。國學院大學文学部日本史学科卒業。1962年伊勢神宮に奉職。神宮禰宜、神宮司庁文化部長、広報課長、神宮徴古館農業館館長などを歴任、2002年退職。現在、NPO法人五十鈴塾塾長。専門は神道文化史・民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
文庫: 252ページ
出版社: 角川学芸出版 (2008/4/25)
言語: 日本語
ISBN-10: 4044083010
ISBN-13: 978-4044083014
発売日: 2008/4/25
梱包サイズ: 16.4 x 10.6 x 1.2 cm
目次
第1章 衣(天照大神の衣服
和妙と荒妙
和妙の奉織作業 ほか)
第2章 食(秘された神饌
神々の食堂―御饌殿
神様は一日二食 ほか)
第3章 住(唯一神明造の御本殿
遷宮はなぜ二十年
式年遷宮は時代を変える ほか)


スタマーレビュー
5つ星のうち4.3
評価の数 5
星5つ…60%
星4つ…14%
星3つ…26%
それ以下は0%
大好評。今のところ低評価皆無。
件数は少ないですけどね。。
あとは中身がどれだけ充実しているか、でしょうか。
せっかく本物の神職さんの本ですのに、レビュアーのほうが電波系、ということも、わりとしばしばよくあるので、このジャンルをチェックするときは若干の注意が必要かも?しれません?


りあえず☆3は2件。
2件とも「Amazon.co.jpで購入済み」ラベルの表示は無し。
共通しているのは文章が読みにくいという難癖。
実際に読んだ当方的には、別にそこまでとも思わなかったので、読者側の問題というか、まあ、人それぞれでしょう。
Amazonなら「試し読み」はできるようですから、冒頭数ページ、チェックしてみれば済む話でもありますね。。


題は内容ですが。
こちらは2件でそれぞれ真逆の評価になっているようです。
特に、
「また、都会の生活や現代社会を愚・浅薄として表現している箇所が複数あり、伊勢神宮(自分たち)は特別なんですよ、とでも言っているように感じられて不愉快」とのレビュー:Amazon
など言うに至っては、本書の何から何まで気に食わないようで、だったらすなおに☆1にしとけよというレベル。
皇室の祖神・日本人の総氏神・伊勢神宮が「特別」でなかったら何なんだというのでしょうねぇ……というのは置いておくとしても。
「教養のない人は読むな、と言っているのに等しい敷居の高さを感じた」とか、全体的に見て僻み根性がすぎるのではないでしょうか。
読んでいてこちらが「不愉快」になります。
というか、そもそも、
いまとなっては日常的に使われていない漢字にもルビがあまりふられておらず、すでに予備知識がある人や難解な漢字も知っている人、伊勢神宮に高い関心がある人、以外にはとっつきにくい、不親切な文章表現となっている。
だそうで、語るに落ちるというか何というか。
オレちゃんは伊勢神宮なんかに関心ないもンね、と白状しています。
だったら、なんでこの本読もうと思ったんですか?という話ですね。
参考になる……と思える人以外はスルーでよさそうな投稿かと個人的には思います。


方、もう1件の☆3は、
「実際に神職として製作の場に立ち会い、祭事を司ってきた体験が語られ、また内部の人間でしか知り得ない情報が多く盛り込まれており、興味深かった」とのレビュー:Amazon
なのでだいぶ好意的。
文章に癖が云々というのは相変わらずですが……
レビュー中には、「また、戦後〜現在までの変化が語られているのも貴重」との記述もあり、戦後という異常な反日時空の中で、神道界がどれほど苦労を重ねてきたことか。そこを連想する手掛かりになっている分、上の**レビューより、相当、マシではあるでしょう。
「都会の生活や現代社会を愚・浅薄として表現」くらい、したくもなるでしょうよ。というところ。
どうせボクちゃん、教養ないもンね、などと僻んでみせる前に、先人の苦労に思いをはせてみるべきではないでしょうか。


るは高評価。
☆4は、
「日本の文化を守ることの大変さがわかる」「読みにくい漢字が多いのは仕方がないことでしょう」とのレビュー:Amazon
☆5は、
「私たちの日常生活は神々の日常生活の延長線上にある。私たちの日々の暮らしを大切にすることはそのまま神への祈りにつながるのではないだろうか」とのレビュー:Amazon
さすがに☆3とはだいぶ違いますね。
特に☆5は「本物の信仰がわかる本」などというレビュータイトルだったので、一瞬、電波系かと身構えてしまいましたがw ちゃんと穏当な内容だったので安心しました(笑)
日本における信仰、祈りとは単に神前で頭を下げるだけの表面的な行為ではなく、神様の日々の衣食住の品々を心を込めて用意すること。それをお捧げすること。これが日本古来の神道の信仰であり、祈りの姿だと理解できた。だから、私たちの日常生活は神々の日常生活の延長線上にある。私たちの日々の暮らしを大切にすることはそのまま神への祈りにつながるのではないだろうか。
伊勢神宮の祈りというのは、ワクワクする波乱万丈とか、非日常の神秘体験とか、まったくそういうものではなく、服を織ったり、塩を焼いたり、食事を用意したり、本書の題名通りの「衣食住」、つまり日常生活そのものなのですよね。何なら「退屈」とか「あたりまえ」などの枕詞をつけてもいいくらいの「日々の暮らし」。
それがいかに大切で、いかに大変なことか、と……それがわかれば御の字、といった一冊かもしれません?
だから、まあ、読んでいて手に汗握るわけでもない本でもありますがw
今では使われなくなった生活のための品々や風習、すなわち衣食住を頑なに守ることで日本の文化を残している、それが伊勢神宮であることがわかります。今ではプラスチックで簡単に供される品物でも、伝統技法に従って作成・調達することには大変な苦労と資金が必要となることにも、今まで気付きませんでした。
など、言われてみれば、的な発見はあるかもしれませんし、
柔らかな語り口と丁寧な説明から読みながら、心が穏やかになっていくのが感じられた。
という……”モノは言い様”なまったり感は味わえる一冊かもしれません?


述のようにAmazonなら冒頭の「試し読み」もできますし、当然ですが楽天にも出品はあり、
「伊勢神宮の衣食住」の検索結果:楽天
ブックスをはじめ、中には多少のレビューが見られる場合もあるようですから、何でしたら、チェックしてみるのもよいでしょう。
その上で……
別に古書価が高騰しているわけでもありませんし、電子版だって数百円ですし。迷ったら、サクッと入手してしまえばよいのではないでしょうか。百聞は一見にナントカ。最終的には論より証拠でしょう。

健闘を祈ります。




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posted by みる。 at 01:45| 本・雑誌 | 更新情報をチェックする