2025年11月05日

岡田尊司「愛着障害の克服」(光文社新書)

愛着障害の克服 (光文社新書) 新書 – 2016/11/17 https://amzn.to/3WEsh1W
Kindle版→https://amzn.to/3JHQDF4

ちらこちらにつづいて。
愛着障害の「克服」というから、自分の問題を自分でのりこえる、セルフヘルプ系かと思ったら(※前二著には若干その傾向もあった?)、施術者が患者を「回復」させる系の本でした?
まあ、それはそれで、医療少年院やクリニックでの経験から語られる症例や知見には、迫力もありましたが……
そもそも愛着が1対1の「関係」であったりするのであれば、独力ではどうにもならんなー、という思いが深まる感じではあったかも。
それでも、一応、最後の最後で、
安全地帯となってくれるサポート役になかなか出会えないという場合には、他の方法で安全基地の代わりを求めることも必要になる。
そうしたものとして有用なものの一つは、日記や文章を書くことである。(P315)
とかいう話もでてこないではないので、まあ、当方が童話なんぞ書きはじめたのも無意味ではないのか、と、思えないことはなかったですけどね。
(それにしても前著ふくめて例示されている作家たちの末路を思うと成功確率がががが、という気もしないでもないですが💦)
愛着障害の人は、子ども時代に満たされなかった大きな欠落を抱えている。その克服は、ある意味、子ども時代を取り戻し、そこでできなかった甘えを甘え直し、やりそこなった子どもらしい体験をやり直すことかもしれない。(P328)
などともあるので、当方が書いているのが、ことさらに「童話」だったり「児童文学」だったりすることも、狙いとしてはわりとイイセンいってるのかもしれません。
もちろん、当方の場合は、「障害」というほどのものでもないでしょうが……
著者が言うように、不安定な愛着が、どんどん一般化してきている、蔓延してきているというのが本当であるならば、たとえば、なろう系的「幼稚」な願望充足・自己愛・承認欲求ポルノみたいなものの隆盛も、その「幼稚」さにこそ治癒的な意味がある……ってわけでもないですかねぇ笑


スタマーレビュー
https://amzn.to/47pVh3J
https://amzn.to/4nCKyYk
5つ星のうち4.3
594 件のグローバル評価
星5つ…62%
星4つ…20%
星3つ…12%
星2つ…3%
星1つ…3%
引きつづき好評。
読み物としては面白いので読めばいいとは思いますが……
ただし、低評価には、やはり、
安全基地が大事、メンタリゼーションが大事はわかるのですが、セルフワーク的なことはほぼ記載がなく、
解決していきたいと思っている当人の助けにはあまりならない内容です。
結局、本人が何かすれば愛着障害が克服できる、という内容ではなく『周りの人が変わる事によって克服できる』(他者から当事者への『愛着アプローチ』)という事です。
愛着障害の克服には親もカウンセリングに参加してもらい親が変化することで子供の精神疾患も改善するという内容ばかりです。

愛着障害にするような親がみんながみんなカウンセリングに参加してくれて、自分の非を認めてくれる親なのでしょうか?
克服に関する話は全体の1〜2割で、その話も周囲の家族向け。

家族が近くにいない、関係がない人にはまるで役に立たない。
ほとんどが愛着障害がなんぞや安定するとどうなるかや極端な具体例がほぼ、なんとか社会の中にすでにいる人には役に立たない。
などなど、「克服」のタイトルにひかれて、セルフヘルプを期待した人からの失望の声が散見されるようです。
どちらかというと、助けてほしいとか助かりたいとかではなく、助けたいと思っている人向け?
そういう本、と、わかったうえで読むなら、良書には違いないのかもしれません。そのへんは、また、高評価レビューなど参照してみてください。
https://amzn.to/47K0GBv
オススメとしては、一般の読者はとりあえず最初の一冊だけ読んでおいて……治療・カウンセリングのメソッドなどに興味がある方は、本書にも手をのばしてみる、みたいな感じかしら?


品詳細はこちら→愛着障害の克服 (光文社新書) 新書 – 2016/11/17 https://amzn.to/3WEsh1W
Kindle版→https://amzn.to/3JHQDF4
楽天で探すならこちら?→
愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる [ 岡田尊司 ]
愛着障害の克服〜「愛着アプローチ」で、人は変われる〜【電子書籍】[ 岡田尊司 ]
愛着障害の克服 「愛着アプローチ」で、人は変われる [ 岡田尊司 ]


  
posted by みる。 at 11:57| 心理 | 更新情報をチェックする